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心室動脈連関
右室の収縮性をどう切り分けるか――肺循環との釣り合いと左室への波及
肺高血圧の患者で右室が拡大し、右室EFが下がっている。原因は肺血管の負荷が大きいことなのか、右室の心筋そのものが弱いことなのか。そして右室が弱ると、左室はどう影響を受けるのか。左室について積み上げてきた枠組みは、右室にどこまで使えるだろうか。
EFが上がれば収縮性も上がったのか――筋節からPVへ
治療後にEFが上がった。心筋が以前より強く収縮するようになったと考えてよいだろうか。結論から言えば、EFだけでは判断できない。EFは一拍の駆出量を拡張末期容積で割った値であり、心筋の収縮状態に加えて、心室がどれだけ満たされたか、どれだけの圧に向かって駆出したかを同時に反映するからである。
動脈は心臓に何を課すか――抵抗・コンプライアンス・Ea
血圧は、臨床で最も多く測られる血行動態の数値である。後負荷の目安として、平均血圧や体血管抵抗を使うことも多い。では、平均血圧が同じなら、左室が受ける負荷も同じだろうか。Kellyらは、10人で左室の圧–容積と大動脈の圧・流量を同時に測り、収縮末期圧を一回拍出量で割った実効動脈エラスタンスEaが、大動脈の入力インピーダンスとコンプライアンスから三要素Windkesselで求めた負荷の指標とよく一致すること、高齢の高血圧例(6人)では平均の抵抗から求めた値を最大25%上回ることを
同じEF、違う心臓――収縮末期の圧と容積で収縮性を読む
EF 45%の心不全患者に血管拡張薬を使い、翌日のEFが53%になった。別の患者は高血圧があり、EFは53%である。前者の心筋は良くなったのか。後者の心筋は前者と同じくらい強いのか。EFだけを見ていると、この二つの問いに答える手がかりはない。(二人は、この回の後半で扱うモデル比較の数値に対応させた架空の例である。)
後負荷を、抵抗・圧波形・Eaで捉える
血管抵抗を下げると、左室は血液を送り出しやすくなる。その変化は、PV loopの収縮末期点が左へ動くことから読める。さらに時間がたつと、心臓へ戻る血液と拡張末期容積も変わる。後負荷への応答を理解するには、この「送り出しやすさ」と「循環が落ち着くまでの変化」をつなげて考える。