記事 · タグ · 6件
血管抵抗
狭い弁の圧較差は何を映すか――流量・心筋・後負荷の三者
弁口面積は重症の大動脈弁狭窄(AS)に相当するのに、平均圧較差は低い。EFも低い。弁が見かけほど狭くないのか、心筋が弱くて十分な流れを作れないのか。そしてこのような患者に血管拡張薬を使うと、血圧が下がるだけなのか、拍出が増えるのか。
低血圧を逆に読む――同じ血圧の低下を、心臓・血管・血液量に分けて見分ける
平均血圧が70 mmHg台に下がった患者が4人いる。血圧だけを見れば同じだが、原因が違えば、次にすべきことも違う。欧州集中治療医学会のコンセンサスは、ショックを、流量が低い三つの型(循環血液量減少性・心原性・閉塞性)と、流量が保たれやすい血液分布異常性の、四つのパターンで考えるとし、原因が重なることも多いと述べている。診察で型がはっきりしなければ追加の評価を行い、まず心エコーを、複雑な例では肺動脈カテーテルなども用いることを提案している。
動脈は心臓に何を課すか――抵抗・コンプライアンス・Ea
血圧は、臨床で最も多く測られる血行動態の数値である。後負荷の目安として、平均血圧や体血管抵抗を使うことも多い。では、平均血圧が同じなら、左室が受ける負荷も同じだろうか。Kellyらは、10人で左室の圧–容積と大動脈の圧・流量を同時に測り、収縮末期圧を一回拍出量で割った実効動脈エラスタンスEaが、大動脈の入力インピーダンスとコンプライアンスから三要素Windkesselで求めた負荷の指標とよく一致すること、高齢の高血圧例(6人)では平均の抵抗から求めた値を最大25%上回ることを
狭い弁の先の血管負荷は拍出を変えるか――ASと低収縮性
大動脈弁狭窄症(AS)では、狭い弁が左室の出口を制限する。では弁が同じなら拍出量も決まってしまい、その先の血管負荷を下げても意味はないのだろうか。そうではない。駆出中の左室圧は大動脈圧と弁の圧較差の和なので、大動脈側の圧が下がれば拍出は増えうる。そして流量が増えれば、同じ弁でも圧較差は上がる。本記事では、左室から見た後負荷を弁の負荷と血管の負荷に分け、心筋の張力が低い心室でこの区別がとくに重要になる理由を考える。
Guytonの循環平衡――心臓と血管が流量を決める
安定した閉ループ循環では、心臓が送り出す平均流量と、心臓へ戻る平均流量が一致する。片方が上回り続ければ、その間に血液がたまり続けるからだ。
後負荷を、抵抗・圧波形・Eaで捉える
血管抵抗を下げると、左室は血液を送り出しやすくなる。その変化は、PV loopの収縮末期点が左へ動くことから読める。さらに時間がたつと、心臓へ戻る血液と拡張末期容積も変わる。後負荷への応答を理解するには、この「送り出しやすさ」と「循環が落ち着くまでの変化」をつなげて考える。