---
title: "PV関係から、Starling曲線を導く"
locale: "ja"
public_slug: "pv-relations-frank-starling"
published_at: "2026-09-13T08:37:42.024187Z"
updated_at: "2026-09-13T08:37:42.024187Z"
article_content_id: "44f66670-f918-4233-971c-b29cbcabad97"
---

# PV関係から、Starling曲線を導く

同じ収縮状態の心室では、充満が増えると一回拍出量も増える。Frank–Starlingの機序である。PV平面ではループの右端が右へ動き、駆出に使える容積が増えることに対応する。[^note-1]

この応答の大きさは、心室と動脈の組み合わせで決まる。さらに、横軸を容積から圧へ変えると、同じ心室の応答が曲線として現れる。

## 心筋の長さから、一拍の仕事へ

心筋を伸ばしてから刺激すると、発生する力が増える。Kentishら[1)](#article-reference-block%2F03%2F005)は単離心筋の研究で、この長さ依存性にカルシウム感受性の変化が関わることを示した。心室の充満を変えてポンプとしての応答を調べたのが、Patterson・Starlingの心肺標本の研究[2)](#article-reference-block%2F03%2F006)である。

現代の測定では、容積と圧を同時に記録して、各拍のSVや一回仕事SWを求められる。次のブタの実験では、大静脈から戻る流れを絞り、リアルタイムMRIで容積を、カテーテルで圧を測った。[図1](#article-figure-block%2F03%2F008)

<a id="article-figure-block/03/008"></a>
**図1：負荷を変えたPV loopとSW–EDV関係**

![MRIと左室圧の同時計測から得たPV系列とSW–EDV関係](<https://media.springernature.com/full/springer-static/image/art%3A10.1186%2F1532-429X-16-S1-P57/MediaObjects/12968_2014_Article_3548_Fig1_HTML.jpg>)

dは負荷を変えたPV loop、eは一拍の仕事SWの時間推移、fはSW–EDV関係。d–fの緑は安静時、赤はドブタミン負荷時。fではEDVが大きい拍ほど仕事が大きく、二つの条件で関係の傾きが異なる。

原著 Fig. 1 · © Witscheyら · 原図のまま掲載[3)](#article-reference-block%2F03%2F009) · [CC BY 2.0](<https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/>)

一つの状態から得られるのは一点である。充満を変えながら点を集めると、その心室の応答を関係として読める。図fの縦軸は仕事SWであり、仕事を用いたStarling関係になっている。[^note-2]

## 駆出先の圧を固定すると、追加した容積を送り出せる

収縮末期の関係をPₑₛ=Ees(ESV−V₀)で表す。Ees=2 mmHg/mL、V₀=10 mL、Pₑₛ=100 mmHgなら、ESV=60 mLになる。

この収縮末期圧を固定してEDVを120 mLから140 mLへ増やすと、SVは60 mLから80 mLへ増える。ESVが同じなので、追加された20 mLがそのままSVの増分となる。

生体の動脈系では、追加の拍出によって動脈圧も上がる。そこで、動脈負荷を収縮末期圧とSVの比、実効動脈エラスタンスEaで表す。Sunagawaら, 1983[4)](#article-reference-block%2F03%2F016)

$$
P_{es}=E_a\,SV,\qquad ESV=EDV-SV
$$

これを心室側の関係へ代入すると、一回拍出量を直接求める式になる。

$$
SV=\frac{E_{es}}{E_{es}+E_a}(EDV-V_0)
$$

Ea=2 mmHg/mLを固定すると、同じ20 mLのEDV増加に対してSVは55 mLから65 mLへ増える。残りの10 mLはESVの増加になる。心室が同じでも、圧を固定する比較と、Eaを固定する比較では、Starling応答の大きさが変わる。

## 血液量を変え、心室と動脈の応答を観察する

閉ループのシミュレーションでは、全身の血液量を4635、4935、5235 mLに設定する。心拍数は70 bpm、心筋の能動張力、静脈トーン、血管の抵抗設定は共通である。各条件で定常状態に達した後に、左室のEDV、ESV、SV、平均左房圧を比べる。

血液量を増やすと、EDVとともにESVも増える。追加された容積の一部は駆出後にも残り、SVの増分はEDVの増分より小さくなる。動脈圧も変化するため、この比較には心室と血管の両方の応答が含まれる。上の式でEaを固定した計算と、条件を照らし合わせながら読む。

## インタラクティブ・シミュレーション: 血液量を変えると、EDV・SV・左房圧はどう変わるか

- Scenarios: 3
- Graphs: 2
- Outputs: 12
- Controls: 1
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 平均左房圧
- Output: 平均左房圧
- Output: 平均左房圧
- Control: 総血液量 (mL)

PVの縦軸は左室内外圧差（左室内圧−心外圧）、圧波形の縦軸は大気圧を基準とする内腔圧である。表のEDVとESVは、それぞれ僧帽弁閉鎖時、大動脈弁閉鎖時の容積を用いる。実測図とは個体も取得法も異なり、ここでは変化の方向と、それを生む条件を比較する。[^note-3]

## 圧を横軸にすると、曲線が平らになる理由

Ees、Ea、V₀を一定とすると、EDVに対するSVの傾きは一定になる。

$$
\frac{dSV}{dEDV}=\frac{E_{es}}{E_{es}+E_a}=k
$$

ここで、拡張末期の圧と容積に指数関数のEDPVRを用いる。

$$
P_{ed}=\alpha\left[e^{\beta(EDV-V_d)}-1\right]
$$

αは圧の大きさを決める正の定数、βは容積に対する圧の増え方を決める正の定数、Vdはこの式で圧がゼロになる容積である。この式を容積について解き、先ほどのSVの式へ代入する。

$$
SV=k\left[V_d-V_0+\frac{1}{\beta}
\ln\left(1+\frac{P_{ed}}{\alpha}\right)\right]
$$

圧に対する傾きは次の形になる。

$$
\frac{dSV}{dP_{ed}}=\frac{k}{\beta(P_{ed}+\alpha)}
$$

充満圧Pₑdが高い領域では、圧が同じだけ増えてもSVの増加は小さい。EDPVRの急な部分では、圧を大きく上げても容積が少ししか増えないからだ。心拍数を固定すればCO=HR×SVなので、充満圧–COの曲線にも同じ性質が現れる。

この導出では収縮性を変えていない。圧を横軸にしたStarling曲線の平坦化には、拡張期に容積を受け入れる性質が関わる。[^note-4]

平均左房圧を横軸にして読み替えると、肺静脈側から心室へ充満させるための圧と拍出量を対応づけられる。ここで導いた拡張末期圧Pₑdとは測定時相が違う。下の実験では、平均左房圧を充満側の観察値として使う。

## 曲線の移動を、心室と血管へ分ける

Eaを一定にしてEesを増やすと、係数kが大きくなり、同じEDVから得られるSVが増える。Eesを一定にしてEaを下げた場合も、kは大きくなる。収縮の増強と後負荷の軽減は、どちらもEDV–SV関係を上方へ動かす。

一方、EDPVRが急になれば、同じ充満圧で入る容積が減る。圧–SVの曲線は、収縮側の性質に加えて拡張側の性質も反映する。横軸の選択によって、関係の中に含まれる機序が変わるのである。

同じ血液量の増加を、二つの収縮状態で比べる。左室自由壁・中隔の能動張力倍率を1.00と0.80に設定し、それぞれで総血液量を4635 mLから5235 mLへ増やす。受動張力の設定と心室の基準形状は共通である。

独立に行った定常計算では、倍率1.00のSVは約72.5 mLから86.8 mLへ、平均左房圧は約6.4 mmHgから10.5 mmHgへ変化した。倍率0.80ではSVが約71.3 mLから84.5 mLへ、平均左房圧が約7.2 mmHgから12.1 mmHgへ変化した。収縮を弱めた心室でも充満の増加によって拍出は増え、その際の左房圧上昇が大きくなる。

## インタラクティブ・シミュレーション: 拍出量と充満圧を、二つの収縮状態で比べる

- Scenarios: 4
- Graphs: 2
- Outputs: 16
- Controls: 2
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 平均左房圧
- Output: 平均左房圧
- Output: 平均左房圧
- Output: 平均左房圧
- Control: 総血液量 (mL)
- Control: 左室自由壁・中隔の能動張力倍率

この比較では、追加の拍出量と上流の圧を一組で読む。SVの増分が近くても、充満を受け入れるために生じた圧の上昇は異なる。Frank–Starlingの機序を、拍出を保つ働きと、そのときの充満圧の両方から捉えられる。[^note-5]

### 確認問題: Ees、Ea、V₀と拡張期の圧–容積関係を保ったまま、充満圧が高くなるとSVの増分は小さくなる。この導出で何が起きているか。

- 圧の増加に対する容積の増分が小さくなる
- Eesが低下する
- Eaが上昇する

<details>
<summary>答えと解説</summary>

**正解:** 圧の増加に対する容積の増分が小さくなる

指数関数のEDPVRでは、高い充満圧ほどdEDV/dPが小さくなる。EesとEaを一定にしても、圧を横軸にしたSVの応答は平坦になる。

</details>

[充満圧を、容積・硬さ・弛緩・外圧から読む](/ja/articles/filling-pressure-volume-relaxation)
Starling曲線の横軸になる充満圧を、容積・硬さ・弛緩から読み解く。

## 注釈

[^note-1]: **長さ依存性の条件**
    冒頭の法則は、収縮状態・心拍数・負荷条件をそろえ、生理的な長さ依存性が働く範囲で述べている。異なる心室の同じEDVが、同じサルコメア長や壁応力を意味するわけではない。
    

[^note-2]: **実測図の取得法と解釈**
    この資料は8頭の麻酔下ブタを対象とした学会抄録である。ドブタミン条件では心拍数も変わる。図fはSV–EDVやCO–右房圧ではなくSW–EDVであり、前負荷動員性一回仕事（PRSW）の解析に対応する。線は測定点への回帰で、全条件に共通する曲線ではない。
    

[^note-3]: **計算条件と安静時基準**
    シミュレーションはstandard-73の同一解剖で行う教育用の条件比較。血液量の設定変更と実際の輸液・出血では、分布、反射、時間経過が異なる。増量条件は安静時の基準比較で平均肺動脈圧が範囲を超え、能動張力0.80の増量条件では左室充満末期圧も上昇する。数値の収束を確認したうえで、負荷への応答を観察する条件として採用した。倍率0.80を特定の心不全患者の再現とは扱わない。
    

[^note-4]: **式の前提と適用範囲**
    導出はEes・Ea・V₀・α・β・Vdを固定した説明用モデルによる。閉ループで血液量を変えると、動脈圧、Ea、血液分布なども変わる。実測の平坦部や下降部には複数の機序があり、上の式だけで原因を特定しない。
    

[^note-5]: **輸液応答と治療判断**
    輸液によるSV増加と、その患者に輸液を行う適否は別の判断。本文は関係を理解するためのもので、充満圧や応答量を一律の治療目標として示していない。
    

## 文献

<a id="article-reference-block/03/005"></a>
1. [Comparison between the sarcomere length-force relations of intact and skinned trabeculae from rat right ventricle. Influence of calcium concentrations on these relations.](<https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3719928/>) Kentish JC, ter Keurs HE, Ricciardi L, et al. Circulation Research. 1986;58(6):755-768.

<a id="article-reference-block/03/006"></a>
2. [On the mechanical factors which determine the output of the ventricles](<https://doi.org/10.1113/jphysiol.1914.sp001669>) Patterson SW, Starling EH. The Journal of Physiology. 1914;48(5):357-379.

<a id="article-reference-block/03/009"></a>
3. [The Frank-Starling relationship of the heart revealed in a large animal study utilizing real-time undersampled radial MRI at variable inotropic state and heart rate](<https://doi.org/10.1186/1532-429X-16-S1-P57>) Witschey WR, Contijoch F, McGarvey JR, et al. Journal of Cardiovascular Magnetic Resonance. 2014;16:P57.

<a id="article-reference-block/03/016"></a>
4. [Left ventricular interaction with arterial load studied in isolated canine ventricle](<https://doi.org/10.1152/ajpheart.1983.245.5.H773>) Sunagawa K, Maughan WL, Burkhoff D, et al. American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology. 1983;245(5):H773-H780.
