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title: "収縮性が変えるもの――心筋の力、Ees、閉ループの拍出"
locale: "ja"
public_slug: "contractility-ees-closed-loop"
published_at: "2026-09-13T08:37:39.077442Z"
updated_at: "2026-09-13T08:37:39.077442Z"
article_content_id: "7438f8e3-8067-4fe8-abf5-661e13e86a61"
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# 収縮性が変えるもの――心筋の力、Ees、閉ループの拍出

心筋の収縮性が高まると、同じ初期長で発生できる張力が増し、同じ後負荷に対する短縮量も増える。ところが、心臓を血管につないだまま収縮を強めると、拍出量の増加が小さいことがある。送り出した後に残る量が減ると同時に、次の拍へ入る量も減るためである。

収縮の変化は、心筋では力と長さの関係、心室では収縮末期の圧と容積の関係に現れる。閉ループ循環では、これに血液分布と充満の応答が重なる。三つの段階で固定する条件をそろえると、「収縮が強くなった」と「拍出量が増えた」の関係を追える。

## 心筋の張力を、長さと活性化に分けて読む

心筋の興奮に続いて細胞内カルシウムが増え、トロポニンへの結合を通じてアクチンとミオシンの相互作用が進む。発生張力は、カルシウム過渡の大きさと時間経過、筋フィラメントのカルシウム感受性、サルコメア長に依存する。

心筋を伸展すると、同じ刺激でも発生張力が増す。AllenとKuriharaはラット・ネコの心室筋で、張力と細胞内カルシウムの変化を同時に記録した。伸展直後にはカルシウム過渡のピークがほぼ同じまま張力が増え、続く数分間には両者がゆっくり増加した。伸展への応答にも、測定する時点によって異なる成分が含まれる。[1)](#article-reference-block%2F05%2Fref-allen)

収縮状態を比較するときは、筋長、刺激頻度、温度などをそろえ、介入前後の力–長さ関係を比べる。長さを増して同じ関係上を移る応答がFrank–Starling機序の基本であり、同じ長さで発生する力の変化が、収縮状態を評価する手掛かりになる。短縮を許す実験では、後負荷と短縮速度も対応づける。[^note-1]

## 心室の収縮状態を、複数のPV loopから評価する

心室では、筋の張力を圧力、筋長を容積に対応させて考える。心拍数と収縮状態を保った短い測定区間で前負荷を変えると、異なる圧・容積で駆出する一連のPV loopが得られる。各拍の収縮末期点を結んだ関係が、収縮末期圧–容積関係（ESPVR）である。対象とする容積範囲を直線で近似すると、

$$
P_{es}=E_{es}(V_{es}-V_0)
$$

Pₑₛは収縮末期圧、Vₑₛは収縮末期容積（ESV）、Eesは直線の傾き、V₀は容積軸との交点を表す。単位は順にmmHg、mL、mmHg/mL、mLである。V₀を共通とする比較では、Eesが大きいほど同じ容積で高い圧を発生し、同じ圧まで駆出したときには残る容積が小さくなる。[2)](#article-reference-block%2F05%2F012)

負荷を変えて得られた点の移動と、収縮状態を変えた後の関係の移動を分けて読む。単一の拍でESVが小さくなる現象は、後負荷を軽くしても生じる。負荷の異なる複数の拍を測ることで、介入前後のESPVRを比較できる。[図1](#article-figure-block%2F05%2F013)

<a id="article-figure-block/05/013"></a>
**図1：負荷と収縮状態を変えて記録したPV loop**

![エスモロール投与前後に大静脈を閉塞して得た両心室PV loopの系列](<https://cdn.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/blobs/6d61/10938295/92f8843ca030/gr5.jpg>)

麻酔下ブタの同時記録。青が左室、黒が右室で、上段は基準状態、下段はエスモロール投与後。各段で下大静脈を一時閉塞し、前負荷を減らしながらPV loopを記録した。各拍の左上端の並びに注目する。パネルごとに軸の目盛りが異なる。

Stonkoら（2024）Fig. 5 · © 2024 Society for Vascular Surgery · 原図のまま掲載[3)](#article-reference-block%2F05%2F014) · [CC BY 4.0](<https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/>)

実測系列には、点の並び、近似した直線、測定した容積範囲を一緒に示す。EesとV₀を組で比べれば、傾きの変化と横方向の移動を区別できる。心室の圧発生には心筋の性質に加え、壁厚・形状・収縮の同期性も関わるため、Eesは心室全体の性質として解釈する。[^note-2]

## モデルでも、入力した張力から圧・容積関係を測り直す

CircleHeartでは、左室自由壁と中隔の能動張力倍率を入力し、その結果として生じる圧と容積を計算する。[図2](#article-figure-block%2F05%2Ffig-load-series)は、倍率1.00と1.20のそれぞれで総血液量を変え、各条件が周期定常状態に達した後のPV loopを並べたものである。能動張力1.20では、大動脈弁閉鎖時の点の系列が左上方へ移る。

<a id="article-figure-block/05/fig-load-series"></a>
**図2：能動張力を変えた2条件のPV負荷系列**

![能動張力1.00と1.20のPV系列と、大動脈弁閉鎖時の点を拡大した比較](<https://hidoxfvibxkboksemhdv.supabase.co/storage/v1/object/public/article-images/3fe81774-76b8-45bc-a7eb-683e2fa19ea2/aed0cf1c-1cb1-4ef1-932e-576dd98e1c4e.png>)

上段は各5条件のPV loop、点は大動脈弁閉鎖時。下段は同じ点の拡大で、破線は選択した点への最小二乗直線を示す。心拍数・他の入力は共通とし、各系列で総血液量を基準の0.80・0.90・1.00・1.06・1.12倍に変えた。縦軸は左室内外圧差。

CircleHeartの保存状態と登録済み解析から作図。計算条件・近似の詳細[^note-3]

図の5点への近似直線の傾きは、能動張力1.00で約1.55、1.20で約1.90 mmHg/mLだった。この値は、選んだ容積範囲における弁閉鎖時の圧・容積関係を要約する。入力した張力倍率と、測定する時点・容積範囲を定めて得る関係の傾きを分けて記録する。[^note-3]

## 充満と動脈負荷を固定すると、SVへの効果が分かる

一拍の駆出量を決めるには、ESPVRに動脈側の条件を加える。有効動脈エラスタンスEaをPₑₛ/SVと定義し、SV＝EDV−ESVを使うと、同じ収縮末期点について次の式が成り立つ。

$$
E_{es}(EDV-SV-V_0)=E_a\,SV
$$

EDVは拡張末期容積、SVは一回拍出量で、ともにmL、Eaの単位はmmHg/mLである。SVを含む項をまとめると、

$$
SV=\frac{E_{es}}{E_{es}+E_a}(EDV-V_0)
$$

Sunagawaらは摘出犬左室に制御した動脈負荷を接続し、心室と動脈系の関係から予測したSVを、負荷と充満条件を変えて得た実測値と照合した。拍出は心室と動脈系の相互作用で決まる。ここからEesだけを変えたときのSVを予測するために、EDV、Ea、V₀を固定する。[4)](#article-reference-block%2F05%2Fref-sunagawa)

この条件でEesを増やすと、SVは増える。増加の大きさはEesとEaの比によって変わり、EesがすでにEaより大きい領域では、同じEesの増加によるSVの上積みが小さくなる。式をEesで微分すると、この変化を確かめられる。

$$
\left.\frac{\partial SV}{\partial E_{es}}\right|_{EDV,E_a,V_0}=\frac{E_a(EDV-V_0)}{(E_{es}+E_a)^2}
$$

例えばEDV＝120 mL、V₀＝10 mL、Ea＝2 mmHg/mLでは、Eesを1から2 mmHg/mLへ増やすと、SVは36.7から55.0 mLへ増える。これは充満と動脈負荷を固定した計算例である。[^note-4]

同じ式をEDVで割れば、駆出率（EF）も求まる。

$$
EF=\frac{SV}{EDV}=\frac{E_{es}}{E_{es}+E_a}\left(1-\frac{V_0}{EDV}\right)
$$

EFには、心室のEes、動脈負荷のEa、容積に関するV₀/EDVが同時に反映される。EFの変化を収縮状態へ結び付けるには、負荷と容積の変化を合わせて読む。[^note-4]

## 閉ループでは、充満条件も動く

心臓が血管につながった循環では、強く駆出した後の血液分布が次の拍の充満を変える。左心拍出が一時的に右心拍出を上回ると、肺血管から左房・左室までの系に蓄えられた血液が減り、その再分布を通じて左房圧や左室の充満が変わる。右心系も応答し、新しい定常状態では左右の平均流量が一致する。

埋め込み実験では、EDVを僧帽弁閉鎖時の左室容積、ESVを大動脈弁閉鎖時の左室容積として読み取る。両者の差をSVとして表示する。介入前後の変化には、

$$
\Delta SV=\Delta EDV-\Delta ESV
$$

が成り立つ。ESVが20 mL減り、EDVも20 mL減れば、SVは変わらない。EDVの減少が10 mLなら、SVは10 mL増える。PV loopでは、左端と右端の移動を分けてから、幅の変化を読む。

前節の計算でEesを2 mmHg/mLへ上げても、EDVが90 mLまで下がった条件ではSVは40 mLとなる。固定EDVで得た55 mLとの差が、充満条件の寄与である。実際の閉ループではEaも結果として変化する。血管抵抗の設定を保つ操作と、Pₑₛ/SVを一定に保つ条件は区別して扱う。[^note-4]

## 実験：収縮直後と、循環が落ち着いた後を比べる

左室自由壁と中隔の能動張力倍率を1.00、1.20、0.80とした3条件を、同じ基準状態から開始する。心拍数70回/分、総血液量4935 mL、体血管抵抗倍率1.04と、他の入力条件をそろえている。この操作は壁の能動張力を変え、Eesなどの心室の性質は、得られた圧・容積関係から評価する。

最初は条件を追加操作せず、保存状態からの再生を観察する。1.20の条件ではESVが小さくなり、続いてEDVも低下する。SVの変化を読むときは、同じ時点の基準条件と比べる。変更後の完了拍が得られると、拍ごとの数値が表示される。[図3](#article-figure-block%2F05%2Ffig-transient)

<a id="article-figure-block/05/fig-transient"></a>
**図3：ESVとEDVの低下が、SVの変化を決める**

![能動張力1.20の基準条件との差。ESV・EDV・SV・平均左房圧の40秒間の変化](<https://hidoxfvibxkboksemhdv.supabase.co/storage/v1/object/public/article-images/3fe81774-76b8-45bc-a7eb-683e2fa19ea2/70786c17-b0e1-4abd-8d2b-419a78b52eba.png>)

能動張力1.20から、同じ時点の基準条件1.00を引いた差。上段のEDVとESVの差が、中段のSVに対応する。完了拍の数値がそろう約1.6秒以降を表示。階段状の線は拍ごとの値の更新を表す。

保存済み実験から取得した時系列を使用。モデル出力の差を示す。

保存状態から40秒進めた比較では、1.00に対する1.20のESV低下は約7.9 mL、EDV低下は約6.9 mLで、SVの増加は約1.0 mLだった。平均左房圧は約0.60 mmHg下がった。一方、0.80ではESVとEDVが増え、SVが減少して左房圧が上がる。拍出量と充満条件を組にすると、収縮の変化が循環全体に及ぼした作用が見える。[^note-5]

## インタラクティブ・シミュレーション: 収縮を変えた直後から、充満の応答まで

左室PVの縦軸は内外圧差、房圧波形は大気圧を基準とする内腔圧。条件名で操作対象を選ぶ。変更後の波形はその状態から続き、初期比較に戻るには再読み込みする。

- Scenarios: 3
- Graphs: 2
- Outputs: 12
- Controls: 1
- Output: 平均左房圧
- Output: EDV
- Output: ESV
- Output: SV
- Output: 平均左房圧
- Output: EDV
- Output: ESV
- Output: SV
- Output: 平均左房圧
- Output: EDV
- Output: ESV
- Output: SV
- Control: 左室自由壁・中隔の能動張力倍率

## 血管への作用を分けると、薬剤のPV変化を読める

Ohteらは7頭の覚醒犬で、ペーシングによる心不全の誘発前後にピモベンダンとアムリノンの作用を比較した。心不全誘発後も両薬の血管拡張作用は保たれたが、Eesの増加はピモベンダンで認められ、アムリノンの陽性変力作用は減弱した。圧や容積の変化を解釈するには、血管側の作用と心室側の作用を分けて測る必要がある。[5)](#article-reference-block%2F05%2F038)

次の4条件では、能動張力倍率1.00/1.20と体血管抵抗倍率1.04/0.85を組み合わせ、操作後60秒の保存状態から比較する。心拍数、総血液量、静脈の容量特性、受動張力、解剖は共通である。心筋と血管への二つの作用を、個別の操作として比べる。[^note-4]

まず張力倍率が同じ2条件で抵抗の効果を比べ、次に抵抗倍率が同じ2条件で張力の効果を比べる。圧が下がったときには、ESVとEDVのどちらが移ったか、SVと平均左房圧がどう変わったかを確認する。二つの操作を重ねた結果も、単独の操作に対して同じ指標で比較する。

このモデルの整定後の比較では、基準条件のSVは約80.1 mL、平均左房圧は約8.40 mmHgである。抵抗だけを下げると約81.5 mL・7.93 mmHg、張力も増やすと約82.4 mL・7.48 mmHgとなる。どの条件も、拍出量の変化に加えて、拍出を得るための充満条件が変わっている。[^note-5]

## インタラクティブ・シミュレーション: 能動張力と体血管抵抗：4条件の比較

左室PVの縦軸は内外圧差、大動脈圧波形は大気圧を基準とする内腔圧。保存された4条件を比べてから、条件名で対象を選んで操作する。

- Scenarios: 4
- Graphs: 2
- Outputs: 16
- Controls: 2
- Output: 平均左房圧
- Output: EDV
- Output: ESV
- Output: SV
- Output: 平均左房圧
- Output: EDV
- Output: ESV
- Output: SV
- Output: 平均左房圧
- Output: EDV
- Output: ESV
- Output: SV
- Output: 平均左房圧
- Output: EDV
- Output: ESV
- Output: SV
- Control: 左室自由壁・中隔の能動張力倍率
- Control: 体血管抵抗倍率

収縮を強めた後、PV loopの両端が左へ移り、幅がほぼ保たれる。そのとき「拍出量がほぼ同じ」という観察に、EDVと左房圧の低下を加えると、より低い充満条件で拍出を維持していることが分かる。心筋への操作、心室の圧・容積関係、循環の新しい平衡を、この順に対応づけて読む。

### 確認問題: 能動張力を増やした後、同じ時点の基準条件よりEDVが7 mL、ESVが8 mL小さくなった。ここから直接求められる結果はどれか。

- SVが1 mL増えた
- SVが8 mL増えた
- Eesが能動張力倍率と同じ割合で増えた

<details>
<summary>答えと解説</summary>

**正解:** SVが1 mL増えた

ΔSV＝(−7)−(−8)＝＋1 mL。Eesの変化率を求めるには、各条件のESPVRを評価する。

</details>

[Guytonの循環平衡――心臓と血管が流量を決める](/ja/articles/guyton-circulatory-equilibrium)
拍出が変わった後の房圧と血液分布を、循環全体で追う。

[一拍を、圧・容積・流量から読む](/ja/articles/cardiac-cycle-pv-pressure-flow)
弁イベントとEDV・ESV・SVの位置を確認する。

## 注釈

[^note-1]: **心筋の収縮状態を評価する条件**
    収縮性は、負荷から完全に切り離して直接測れる一個の物理量ではない。長さ依存性活性化と収縮状態には分子機構の重なりがあり、力–長さ関係は伸展後の経過時間にも依存する。比較する筋長、刺激頻度、温度、収縮様式、測定時点を明示する。心筋標本間では断面積などによる張力の正規化も必要になる。[1)](#article-reference-block%2F05%2Fref-allen)
    

[^note-2]: **ESPVRの近似、心室の形状、収縮末期点**
    直線のESPVRは測定域での近似であり、容積範囲を広げると曲率が現れ、V₀も変わりうる。V₀は近似直線の外挿切片で、空の心室の解剖学的容積を表す値ではない。異なる形状・壁厚・心筋量を持つ心室のEesを、心筋材料の収縮性の優劣へ直接置き換えない。
    
    ESPVRの収縮末期点と、弁閉鎖時点によるESVは、計測法によって時刻がずれる。時変エラスタンスの最大値、P/Vの最大値、最大P/(V−V₀)はV₀の扱いも含めて区別する。本実験のEDV・ESVは表示名どおりの弁イベントで定義している。実測図は麻酔下ブタの技術報告に示された系列で、図だけから心拍数・負荷の変化と独立した薬剤効果を定量化しない。
    

[^note-3]: **モデルのPV負荷系列と、図の近似直線**
    保存済み4条件実験の1.00・1.20の状態を基に、登録済み解析で各12点の負荷系列を計算した。解析は出発点を整定した後に冠血管トーンを固定し、総血液量を段階的に変え、各条件で周期整定を確認する。掲載範囲は両系列に共通する総血液量3948～5527.2 mLの5点である。これは各負荷で整定させた数値実験であり、実測図の短時間の大静脈閉塞と同一の操作ではない。
    
    PV軌道と弁閉鎖点は登録済み解析の出力を使用し、平滑化していない。図の直線だけは、選択した5点に通常の最小二乗法を適用した記事用の記述的近似で、表示は点の容積範囲内に限った。切片から計算されるV₀は約−4.92/−0.70 mL、最大圧残差は約2.47/2.61 mmHg（1.00/1.20）である。この傾きを、最大エラスタンスの時刻で測定したEesや、モデルに直接指定する定数とは同一視しない。V₀固定という本文の計算例の仮定も、この2系列には課していない。
    

[^note-4]: **心室–動脈の式と、モデル操作の範囲**
    本文の代数式は直線ESPVRとEa＝Pₑₛ/SVを同じ圧基準の収縮末期点で組み合わせたもの。EDV＞V₀、Ees＞0、Ea＞0の範囲で用いる。Eaを独立に固定して将来のSVを予測するには、動脈負荷をその一つの量で表す近似が加わる。抵抗・コンプライアンス・心拍数・駆出の時間経過などがEaに関わるため、体血管抵抗の固定だけでは固定Eaの条件にならない。[4)](#article-reference-block%2F05%2Fref-sunagawa)
    
    EDV＝120/90 mLの計算例は式に条件を代入したもので、埋め込み実験の予測値ではない。EFの式でV₀を省くにはV₀/EDVを無視する近似が必要である。
    
    埋め込み実験の入力は左室自由壁と中隔の能動張力倍率であり、Eesの倍率や薬剤の用量を指定するものではない。カルシウム動態、受容体作用、代謝、患者の治療効果をこの操作で一括して再現してはいない。
    

[^note-5]: **計算値・時間・測定量の定義**
    数値は保存済みStandard73実験の状態から取得したモデル出力で、本文では丸めている。過渡応答は同じ基準状態から入力を変えた3条件を40秒間追跡し、4条件比較は操作後60秒の保存状態をさらに5秒間追跡して確認した。fitting workflowによる独立初期状態からの周期整定計算とも照合した。保存や一定時間の再生自体は、周期整定の証明ではない。
    
    拍ごとの平均・弁イベント値は、対象となる拍が完了するまで未確定となる。過渡図は今回の保存状態で最初の確定値が得られた約1.6秒以降を示す。EDV−ESVで定義したSVと、弁を通る正味流量の積分は、逆流やイベントの定義により差を持ちうる。
    
    実験の心拍数・総血液量・抵抗・静脈設定などは固定している。閉ループの数十秒の応答は、この条件下の血液分布と心室・血管の相互作用による。腎による体液調節や薬剤の用量応答は評価していない。能動張力0.80の条件は張力低下の比較用で、正常基準域への適合や心不全患者の再現を示すものではない。
    

## 文献

<a id="article-reference-block/05/ref-allen"></a>
1. [The effects of muscle length on intracellular calcium transients in mammalian cardiac muscle.](<https://doi.org/10.1113/jphysiol.1982.sp014221>) Allen DG, Kurihara S. J Physiol. 1982;327:79–94.

<a id="article-reference-block/05/012"></a>
2. [Instantaneous Pressure-Volume Relationships and Their Ratio in the Excised, Supported Canine Left Ventricle](<https://doi.org/10.1161/01.RES.35.1.117>) SUGA H, SAGAWA K. Circulation Research. 1974;35(1):117-126.

<a id="article-reference-block/05/014"></a>
3. [Technical and analytical approach to biventricular pressure-volume loops in swine including a completely endovascular, percutaneous closed-chest large animal model](<https://doi.org/10.1016/j.jvssci.2024.100190>) Stonko DP, Rousseau MC, Price C, et al. JVS-Vascular Science. 2024;5:100190.

<a id="article-reference-block/05/ref-sunagawa"></a>
4. [Left ventricular interaction with arterial load studied in isolated canine ventricle.](<https://doi.org/10.1152/ajpheart.1983.245.5.H773>) Sunagawa K, Maughan WL, Burkhoff D, Sagawa K. Am J Physiol. 1983;245:H773–H780.

<a id="article-reference-block/05/038"></a>
5. [The cardiac effects of pimobendan (but not amrinone) are preserved at rest and during exercise in conscious dogs with pacing-induced heart failure](<https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9223536/>) Ohte N, Cheng CP, Suzuki M, et al. J Pharmacol Exp Ther. 1997;282(1):23–31.
