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title: "後負荷を、抵抗・圧波形・Eaで捉える"
locale: "ja"
public_slug: "afterload-resistance-waveform-ea"
published_at: "2026-09-13T08:37:48.205756Z"
updated_at: "2026-09-13T08:37:48.205756Z"
article_content_id: "20c8217e-9e60-4a80-aa70-acccc482a70a"
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# 後負荷を、抵抗・圧波形・Eaで捉える

血管抵抗を下げると、左室は血液を送り出しやすくなる。その変化は、PV loopの収縮末期点が左へ動くことから読める。さらに時間がたつと、心臓へ戻る血液と拡張末期容積も変わる。後負荷への応答を理解するには、この「送り出しやすさ」と「循環が落ち着くまでの変化」をつなげて考える。

本稿では、まず実測の圧・流量波形から心室と動脈の接続を確認する。次に抵抗と動脈の硬さを区別し、最後に実効動脈エラスタンスEaを使って一回拍出量の変化を導く。

## 波形とPV loopは、同じ駆出を二つの座標で見る

大動脈弁が開くと、左室の圧が大動脈へ伝わり、血液が流れ出す。左室圧と大動脈圧を時間軸に並べれば、圧が立ち上がる時刻、駆出中の形、大動脈弁が閉じた後の圧の低下が見える。流量波形を重ねれば、圧を生みながら、いつ、どれだけ送り出しているかが分かる。

Pigotらは、同じブタ心臓について生体内と摘出後の作動心で記録した。[1)](#article-reference-block%2F04%2F008)[図1](#article-figure-block%2F04%2F006)では、左室圧、大動脈圧、左房圧と大動脈流量が並んでいる。大動脈流量が正になる区間に注目し、その区間の左室圧を追ってみよう。[^note-1]

<a id="article-figure-block/04/006"></a>
**図1：生体内と摘出後のブタ心臓で記録した圧・流量波形**

![ブタ心臓で記録された大動脈圧・左室圧・左房圧と大動脈流量](<https://cdn.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/blobs/2a23/9545718/c35393c6b35c/AOR-46-1794-g004.jpg>)

Heart 1の生体内／摘出後、安静／アドレナリン投与後の代表記録。

原著 Fig. 5 · © 2022 The Authors · 原図のまま掲載[1)](#article-reference-block%2F04%2F008) · [CC BY 4.0](<https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/>)

[図2](#article-figure-block%2F04%2F010)のように、同じ拍動を圧–容積平面へ移すと、駆出中は容積が減るため、軌道は左へ進む。圧が高いうちに多くの血液を送り出すほど、ループが囲む面積、すなわち一拍の外的仕事は大きくなる。時間波形では「いつ起きたか」を、PV loopでは「どの圧でどれだけ容積が変わったか」を読む。

<a id="article-figure-block/04/010"></a>
**図2：同じブタ心臓の生体内・摘出後のPV loop**

![同じブタ心臓の生体内と摘出後で得られた実測PV loop](<https://cdn.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/blobs/2a23/9545718/bb81ceb12e32/AOR-46-1794-g002.jpg>)

各パネルはHeart 1の5拍。横軸は左室容積の変化量で、パネルごとに目盛りが異なる。絶対EDV・ESVの比較には用いず、駆出中の圧と容積変化、拍ごとの軌道を読む。

原著 Fig. 9 · © 2022 The Authors · 原図のまま掲載[1)](#article-reference-block%2F04%2F008) · [CC BY 4.0](<https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/>)

## 抵抗は平均圧と流量をつなぐ

平均動脈圧MAPは、心拍出量COと体血管抵抗SVR、流出先の右房圧で決まる。定常状態の平均値について、次の関係を使う。

$$
SVR=\frac{MAP-P_{RA}}{CO}
$$

心拍出量を一定に保てば、抵抗が高いほど平均動脈圧は上がる。心臓を含む閉じた循環で抵抗を変えると、圧と心拍出量がともに動き、新しい組み合わせへ落ち着く。したがって実験では、設定した抵抗と、結果として得られた圧・流量を別々に記録する。

心筋が駆出中に受ける負荷を壁の力学で表す量は、壁応力である。内圧に加え、心室の大きさと壁厚も効く。臨床やPV解析では、この負荷を血圧、血管抵抗、Eaなどで捉える。ここでは動脈側の性質が圧と拍出にどう現れるかを追う。[^note-2]

## 動脈の硬さは、血液を蓄える間の圧の上がり方に現れる

動脈は、駆出された血液の一部を一時的に蓄え、拡張期にも末梢へ送り続ける。蓄えた容積の増分を圧の増分で割った量が、コンプライアンスCである。Cが大きい動脈は、同じ容積を受け入れるときの圧上昇が小さい。

この働きを、抵抗Rと一定のコンプライアンスCからなる二要素Windkesselで表す。動脈へ入る流量をQin、動脈圧をPa、一定の流出先圧をPvとすると、流入から流出を引いた分が動脈に蓄えられる。

$$
C\frac{dP_a}{dt}=Q_{in}-\frac{P_a-P_v}{R}
$$

大動脈弁が閉じ、Qinがゼロになると、動脈と流出先の圧較差は時定数RCで減衰する。

$$
P_a(t)-P_v=[P_a(0)-P_v]e^{-t/(RC)}
$$

抵抗を下げる操作と、動脈を柔らかくする操作は、異なる場所に作用する。前者は末梢への流出を増やし、後者は圧に対する蓄え方を変える。収縮期圧、拡張期圧、脈圧、拡張期の減衰を見比べると、その違いが現れる。[^note-3]

次の実験は、基準、体血管抵抗を下げた条件、動脈の硬さを下げた条件の三つを比較する。総血液量、心筋の設定、心拍数は同じにしてある。まず大動脈圧の上端と下端を比べ、次にPV loopの左右の端とSVを見る。血管の設定を変えた後、左室の充満と拍出がどの組み合わせへ落ち着いたかを読もう。[^note-4]

## インタラクティブ・シミュレーション: 抵抗と動脈の硬さを分けて比べる

- Scenarios: 3
- Graphs: 3
- Outputs: 12
- Controls: 2
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 平均大動脈圧
- Output: 平均大動脈圧
- Output: 平均大動脈圧
- Control: 体血管抵抗の倍率
- Control: 動脈の硬さの倍率

## Eaで、動脈への駆出を一拍の関係にまとめる

実効動脈エラスタンスEaは、収縮末期圧Pesを一回拍出量SVで割った量である。単位はmmHg/mLとなり、収縮末期エラスタンスEesと同じ圧–容積平面で扱える。

$$
E_a=\frac{P_{es}}{SV}
$$

[図3](#article-figure-block%2F04%2Fea-geometry)では、横軸上の拡張末期容積EDVから収縮末期点へ引く線の傾きの大きさがEaになる。この一本で、その拍の圧と拍出量の関係を要約する。動脈の性質をより詳しく調べるときは、先ほどの圧・流量波形へ戻る。[^note-5]

<a id="article-figure-block/04/ea-geometry"></a>
**図3：Eaは、収縮末期圧を一回拍出量で割った量**

![左室PV loopに、横軸上のEDVと収縮末期点を結ぶEaの線を重ねた図。三角形の高さがPes、底辺がSVに対応する。](<https://hidoxfvibxkboksemhdv.supabase.co/storage/v1/object/public/article-images/3fe81774-76b8-45bc-a7eb-683e2fa19ea2/e74eb8b0-8445-4ba0-9173-506fc659c5f2.png>)

薄灰色は基準状態の計算波形。濃い線は横軸上のEDVと収縮末期点を結び、その傾きの大きさがEaとなる。三角形の高さがPes、底辺がSVに対応する。[^note-6]

ここで、直線の収縮末期圧–容積関係とEaを組み合わせる。V₀は収縮末期関係を圧ゼロまで延長した容積切片である。

$$
P_{es}=E_{es}(ESV-V_0),\qquad P_{es}=E_a SV,\qquad ESV=EDV-SV
$$

ESVを消去すると、一回拍出量が求まる。

$$
SV=\frac{E_{es}}{E_{es}+E_a}(EDV-V_0)
$$

EDV−V₀を、EesとEaの比率に応じて駆出する。この式ではEDV、V₀、Eesを保ってEaを下げると、SVが増えてESVが減る。同時に、収縮末期圧は次の値になる。

$$
P_{es}=\frac{E_{es}E_a}{E_{es}+E_a}(EDV-V_0)
$$

## 「後負荷を同じだけ下げる」の条件をそろえる

収縮性が低い心室は、減負荷で拍出量が大きく増える。この説明を数式で確かめるには、何を同じだけ変えたかを決める。

まずEDV、V₀、Eesを固定し、Pesを20 mmHg下げる思考実験を行う。SV＝EDV−V₀−Pes/Eesなので、Eesが2 mmHg/mLならSVは10 mL、Eesが1なら20 mL増える。同じ圧低下は、Eesが小さい心室ほど大きな容積変化を生む。

一方、Eaを同じだけ下げる実験では、応答を先ほどの分数式から求める。EDV−V₀を110 mLに保ち、Eaを2から1 mmHg/mLへ下げると、Eesが2でも1でもSVの増分は約18.3 mLになる。Eaに対する感度は次の形をとる。[^note-7]

$$
\left.\frac{\partial SV}{\partial E_a}\right|_{EDV,E_{es},V_0}
=-\frac{E_{es}(EDV-V_0)}{(E_{es}+E_a)^2}
$$

次の四条件では、心筋の能動張力倍率と体血管抵抗を組み合わせた。倍率1.00の二条件を比べ、次に0.80の二条件を比べる。SVの差とともにEDV、ESV、平均左房圧の差を追えば、送り出す能力と充満による調整の両方が見える。ここで直接操作する量は心筋の能動張力倍率と血管抵抗であり、圧や容積は循環から求まる。[^note-4]

## インタラクティブ・シミュレーション: 収縮状態ごとに、後負荷への応答を比べる

- Scenarios: 4
- Graphs: 2
- Outputs: 16
- Controls: 2
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 平均左房圧
- Output: 平均左房圧
- Output: 平均左房圧
- Output: 平均左房圧
- Control: 体血管抵抗の倍率
- Control: 左室自由壁・中隔の能動張力倍率

## 最初の拍と、循環が落ち着いた後を読む

抵抗を変えた直後には、血管内にすでに蓄えられた血液がある。大動脈圧と流量が変わり、左室に残る量が変わる。その後、左右心室と肺・体循環の間で血液の分布が変わり、左室へ流入する量も調整される。こうして閉じた循環の応答が形づくられる。

次の実験は、同じ基準状態から、一方だけ抵抗を下げた直後の状態を保存した。開くと等速で再生が始まるので、最初の数拍から、その後の変化へと観察を進めよう。PV loopの移動、大動脈圧、SV、EDVの順に追うと、時間経過を捉えやすい。操作した条件の拍ごとの数値は、変更後の拍が完了すると表示される。再生直後は圧・流量の軌道を追い、拍が完了してからSVやEDVを比較する。

## インタラクティブ・シミュレーション: 操作直後の拍から、圧と拍出量を追う

- Scenarios: 2
- Graphs: 3
- Outputs: 8
- Controls: 1
- Output: 一回拍出量
- Output: 一回拍出量
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室拡張末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 左室収縮末期容積
- Output: 平均大動脈圧
- Output: 平均大動脈圧
- Control: 体血管抵抗の倍率

EaとEesは、一拍の結果を整理するために役立つ。血管抵抗とコンプライアンスは、その結果を生む動脈側の仕組みを表す。実験を読むときは、操作した量を確認し、時間波形で経過を追い、最後にPV平面で圧と拍出量の組み合わせを説明する。

### 確認問題: 直線ESPVRでEDV・V₀・Eesを保ち、Pesを20 mmHg下げた。Eesが1 mmHg/mLのとき、SVはどれだけ増えるか。

- 20 mL
- 10 mL
- Eaを20 mmHg/mL下げたときと同じ

<details>
<summary>答えと解説</summary>

**正解:** 20 mL

SV＝EDV−V₀−Pes/Eesなので、ΔSV＝−ΔPes/Ees＝20 mL。Pesを同じだけ下げる比較と、Eaを同じだけ下げる比較は条件が異なる。

</details>

[充満圧を、容積・硬さ・弛緩・外圧から読む](/ja/articles/filling-pressure-volume-relaxation)
後負荷が変わった後の充満を、圧と容積の両面から考える。

## 注釈

[^note-1]: **実測図の条件と解釈**
    実測図の条件。Pigotらは6頭の約70 kgのブタを対象としたが、全4条件のPV記録がそろったのは掲載したHeart 1である。Fig. 9の摘出後・投与後の鋭い圧ピークは、原著でセンサーと心室壁の接触によるアーチファクトの可能性が指摘されている。図は実験条件下の観測波形として読む。正常ヒトの基準形状や、シミュレーションが定量的に妥当であることの証明には用いない。
    

[^note-2]: **壁応力と圧の区別**
    壁応力と圧の区別。薄肉球の近似では壁応力σ≈Ptm r/(2h)と表せる。実際の左室は厚肉で異方性があり、局所応力は形状・線維配向・部位によって異なる。本アプリの固定解剖モデルに、この薄肉近似を数値計算式として当てはめるものではない。
    

[^note-3]: **Windkesselの近似**
    二要素Windkesselは血液を蓄える働きと抵抗性流出に絞った説明である。実動脈には特性インピーダンス、波の伝播・反射、圧依存性のコンプライアンスがある。脈圧からC≈SV/脈圧と求める方法にも、駆出中の末梢流出などの影響が入る。抵抗Rの単位をmmHg·s/mLにすればRCの単位は秒となる。
    

[^note-4]: **シミュレーションの条件**
    埋め込み実験はStandard73の計算結果。総血液量4935 mL、心拍数70 bpm、同じ解剖と基準チェックポイントを用い、三つ目の実験以外は操作後120秒を保存した。心筋の能動張力倍率は推定Eesそのものではなく、動脈の硬さの倍率は血管圧–容積則に作用する。実測図への個体別fittingや薬剤反応の再現を行った実験ではない。高抵抗や能動張力を下げた条件は、安静時の基準範囲との一致を目的としない比較条件として扱う。
    

[^note-5]: **Eaに含まれる要因と単位**
    Eaは動脈壁の材質を直接測った硬さではない。抵抗、コンプライアンス、心拍数、駆出時間などを含む一拍の要約量である。平均圧をPesで近似し、右房圧を小さいとすればEa≈R/Tとなる。Tは一拍の時間で、単位の統一が必要。Sunagawaら（1983）[2)](#article-reference-block%2F04%2F056)、Segersら（2002）[3)](#article-reference-block%2F04%2F057)。
    

[^note-6]: **Eaの図のデータと補助線**
    灰色のPV loopは、Standard73基準状態の2 ms間隔の計算波形である。PesとESVは流量イベント解析法による大動脈弁閉鎖時、EDVは僧帽弁閉鎖時の値を用いた。濃い線と三角形は、Ea＝Pes/(EDV−ESV)の定義を示すために加えた幾何学的な補助線である。動脈の圧–容積関係の実測曲線や、血管の弾性係数を表すものではない。縦軸は左室内腔圧を用い、この基準状態では内外圧差と一致する。
    

[^note-7]: **感度式の比較条件**
    数式例では直線ESPVR、一定のEes・V₀・EDVを仮定した。実際の閉鎖循環では、EDV、圧波形、反射性調節なども変わる。「低収縮性ほど減負荷へのSV応答が大きい」という比較は、負荷を表す量、初期条件、観察時間を明示して解釈する。Eaの微分感度はEesに対して単調ではない。
    

## 文献

<a id="article-reference-block/04/008"></a>
1. [A novel nonlinear afterload for ex vivo heart evaluation: Porcine experimental results](<https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9545718/>) Pigot H, Soltesz K, Paskevicius A, et al. Artificial Organs. 2022;46(9):1794-1803.

<a id="article-reference-block/04/056"></a>
2. [Left ventricular interaction with arterial load studied in isolated canine ventricle](<https://doi.org/10.1152/ajpheart.1983.245.5.H773>) Sunagawa K, Maughan WL, Burkhoff D, et al. American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology. 1983;245(5):H773-H780.

<a id="article-reference-block/04/057"></a>
3. [Relation of effective arterial elastance to arterial system properties](<https://doi.org/10.1152/ajpheart.00764.2001>) Segers P, Stergiopulos N, Westerhof N. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2002;282(3):H1041–H1046.
